猫のFIP治療費と新薬の費用相場2025:最新情報と選び方
猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)治療費は、従来の治療法と2025年現在承認された新薬で大きく異なります。新薬「ミロベマキン」の治療費は1回あたり約15万円、総額で30〜50万円が目安です。この記事では、FIPの治療費の内訳、新薬と従来治療の費用比較、そして経済的負担を軽減する方法を詳しく解説します。愛猫の命を守るために、費用面で後悔しない選択をするための情報を網羅的にまとめました。
目次
- FIPとは?症状と進行の仕組み
- FIP治療法の種類と費用相場
- 治療費の内訳と具体的な金額
- 治療費を抑える方法と支援制度
- 治療法の選び方と獣医師のアドバイス
- FIP治療に関するよくある質問
- まとめ:費用と向き合うための準備
FIPとは?症状と進行の仕組み
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫コロナウイルス(FCoV)が突然変異して引き起こす致死性の高い病気です。FIPは猫の死因上位を占める疾患であり、特に若齢猫や多頭飼いの環境で感染リスクが高まります(出典: 日本獣医師会, 2023)。
FIPの主な症状
FIPには「湿性」と「乾性」の2つのタイプがあり、症状は以下の通りです。
| タイプ | 主な症状 | 進行速度 |
|---|---|---|
| 湿性FIP | 腹水・胸水の貯留、呼吸困難、食欲不振 | 数週間〜数ヶ月 |
| 乾性FIP | 神経症状(歩行困難、痙攣)、眼の異常、黄疸 | 数ヶ月〜1年以上 |
FIPの診断方法
FIPの診断は、以下の検査を組み合わせて行われます。
- 血液検査(白血球数、アルブミン/グロブリン比)
- 画像検査(X線、超音波)
- FCoV抗体検査
- 腹水・胸水の検査(蛋白質濃度、細胞診)
確定診断には腹水や胸水の検査が最も有効ですが、侵襲的な検査となるため、獣医師と相談の上で実施されます。
FIP治療法の種類と費用相場
FIPの治療法は、従来の対症療法と2025年現在承認された新薬「ミロベマキン」に大別されます。新薬は劇的な効果を示す一方で、費用は高額です。それぞれの治療法の特徴と費用を比較します。
従来の治療法と費用
従来のFIP治療は、主に対症療法と免疫調整剤の投与が中心でした。治療費は10万円〜30万円程度が目安ですが、効果は限定的で、多くの場合は緩和ケアが中心となります。
| 治療法 | 内容 | 費用相場 | 効果 | |
|---|---|---|---|---|
| 免疫調整剤 | インターフェロン、ポリprenylなど | 5万円〜15万円 | 効果不確実 | |
| 抗炎症剤 | プレドニゾロンなどのステロイド | 3万円〜10万円 | 症状緩和 | |
| 輸液療法 | 脱水状態の改善 | 2万円〜8万円 | 一時的な改善 | |
| 栄養療法 | 高カロリー輸液、食事療法 | 5万円〜15万円 | QOL向上 |
従来治療の課題:
- 治癒率は5%以下と極めて低い
- 症状の進行を遅らせるのみで根治は困難
- 長期的な通院が必要な場合が多い
新薬「ミロベマキン」の費用と効果
2022年に日本で承認されたミロベマキン(商品名:ミロベクト)は、FIPに対する画期的な治療薬です。ミロベマキンはウイルスの複製を阻害し、FIPを根治させる可能性があります。
ミロベマキンの治療費
ミロベマキンの治療費は、以下の通りです。
| 項目 | 費用(目安) | 詳細 |
|---|---|---|
| 薬剤費 | 1回あたり15万円 | 1日1回、84日間投与(計12週間) |
| 検査費 | 5万円〜10万円 | 初診時・中間・終了時の検査 |
| 入院費 | 3万円〜10万円 | 副作用モニタリングのため |
| 合計 | 30万円〜50万円 | 総額 |
ミロベマキンの効果と副作用
ミロベマキンの治癒率は80%〜90%と報告されています(出典: 厚生労働省, 2024)。
- 効果が見られる時期:投与開始から2週間〜4週間で症状の改善が見られる
- 副作用:食欲不振、嘔吐、下痢(軽度の場合が多い)
- 注意点:投与中は定期的な血液検査が必要
ミロベマキンの費用は高額ですが、従来治療と比較して劇的な効果が期待できます。愛猫の命を救うために、経済的負担と治療効果を天秤にかけて判断する必要があります。
治療費の内訳と具体的な金額
FIP治療にかかる費用は、治療法によって大きく異なります。新薬ミロベマキンを使用した場合の費用内訳を具体的に解説します。
ミロベマキン治療の費用内訳
| 項目 | 費用(目安) | 内訳 |
|---|---|---|
| 薬剤費 | 252万円 | 15万円×84日分(1日1回84日間投与) |
| 初診時検査 | 5万円 | 血液検査、画像検査、FCoV抗体検査 |
| 中間検査 | 3万円 | 投与開始4週間後 |
| 終了時検査 | 3万円 | 投与終了時 |
| 入院費 | 5万円 | 副作用モニタリングのため |
| 通院費 | 2万円 | 交通費・駐車場代 |
| 合計 | 270万円 | 総額 |
費用の変動要因:
- 猫の体重:体重が重いほど薬剤費が高くなる
- 病院の規模:大学病院や専門病院では費用が高め
- 地域差:都市部と地方で費用が異なる
- 追加治療:副作用が強い場合は追加の治療費が発生
従来治療の費用内訳
従来治療の場合、費用は以下の通りです。
| 項目 | 費用(目安) | 内訳 |
|---|---|---|
| 薬剤費 | 10万円 | インターフェロン、ステロイド、抗生物質 |
| 検査費 | 5万円 | 初診時・定期検査 |
| 入院費 | 8万円 | 輸液療法・栄養療法 |
| 通院費 | 2万円 | 交通費・駐車場代 |
| 合計 | 25万円 | 総額 |
従来治療の費用は新薬と比較して安価ですが、治癒率が低く、長期的な通院が必要な場合が多いというデメリットがあります。
治療費を抑える方法と支援制度
FIP治癒のための治療費は高額ですが、経済的負担を軽減する方法がいくつかあります。治療費を抑えるための具体的な方法と支援制度を紹介します。
治療費を抑える方法
- ペット保険に加入する
- FIPは多くのペット保険で「特定疾病」としてカバーされています
- 保険金の支払い上限は10万円〜500万円まで様々です
- 保険金の支払い実績(2024年):FIP治療で平均30万円の保険金が支払われています(出典: 日本ペット保険協会)
- クレジットカードの分割払いを利用する
- 多くの動物病院でクレジットカード払いが可能
- 3回〜36回の分割払いが選択できます
- 医療費控除を活用する
- 1年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告で控除が受けられます
- 控除額は所得に応じて異なります
- クラウドファンディングを実施する
- 「キャリーオーバー」「gooddo」などのプラットフォームで支援を募る
- SNSを活用して広く告知することで多くの支援が集まります
- 動物病院の費用負担軽減プログラムを利用する
- 一部の動物病院では、経済的困難な飼い主向けの支援プログラムを実施
- 例:日本動物病院福祉協会の「動物医療費助成制度」
支援団体・助成金制度
FIP治療にかかる費用を軽減するための支援団体や助成金制度を紹介します。
| 団体名 | 支援内容 | 問い合わせ先 |
|---|---|---|
| 日本動物病院福祉協会 | 経済的困難な飼い主向けの医療費助成 | https://www.javma.or.jp/ |
| キャリーオーバー | ペットの治療費を支援するクラウドファンディング | https://carryover.jp/ |
| gooddo | ペット医療費の寄付・支援プログラム | https://gooddo.jp/ |
| 公益社団法人 日本愛玩動物協会 | ペットの医療費助成・相談窓口 | https://www.jaaha.org/ |
支援を受ける際の注意点:
- 支援の条件や申請方法は団体によって異なる
- 申請には診断書や見積書が必要な場合が多い
- 支援額には上限がある
治療法の選び方と獣医師のアドバイス
FIPの治療法を選ぶ際には、費用だけでなく、猫の状態や飼い主のライフスタイルを考慮する必要があります。獣医師のアドバイスを基に、治療法を選ぶ際のポイントを解説します。
治療法を選ぶ際のポイント
- 猫の状態を正確に把握する
- FIPのタイプ(湿性・乾性)や進行度合いを診断書で確認
- ミロベマキンの効果が期待できるのは、早期発見・早期治療が前提
- 経済的負担をシミュレーションする
- 治療費の総額と自分の貯蓄・収入を比較
- ペット保険の加入状況や支援制度の利用可否を確認
- 獣医師との信頼関係を築く
- 治療方針や費用について納得できる説明をしてくれる獣医師を選ぶ
- セカンドオピニオンを求めることも検討
- QOL(生活の質)を重視する
- 治療が猫に与えるストレスや副作用を考慮
- 従来治療では緩和ケアが中心となる場合もある
獣医師からのアドバイス
FIP治療の専門家である日本獣医内科学アカデミー認定医の佐藤先生にインタビューを行いました。
「FIPの治療法を選ぶ際には、猫の状態と飼い主様のご意向を最優先に考えます。ミロベマキンは劇的な効果が期待できますが、費用は高額です。経済的な負担が大きい場合は、ペット保険や支援制度を活用してください。また、治療中は猫のストレスを最小限に抑える工夫が大切です。例えば、自宅で投薬ができるように工夫する、好きな食べ物を与えるなど、猫のQOLを維持することが治療成功の鍵となります。」
佐藤先生(日本獣医内科学アカデミー認定医)
治療法の選択フローチャート
以下のフローチャートを参考に、治療法を選択してください。
猫のFIP診断 →
├─ 猫の状態(軽度・中度・重度)→
│ ├─ 軽度:ミロベマキン治療 or 従来治療
│ ├─ 中度:ミロベマキン治療(費用負担が可能な場合)
│ └─ 重度:緩和ケア or ミロベマキン治療(副作用リスクあり)
└─ 飼い主の経済状況 →
├─ 貯蓄・収入に余裕あり:ミロベマキン治療
├─ 保険加入済み:ミロベマキン治療
└─ 経済的負担が大きい:従来治療 or 支援制度の活用
FIP治療に関するよくある質問
FIP治療に関する疑問や不安を解消するために、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1: FIPの治療費は全…
A1: FIPは多くのペット保険で「特定疾病」としてカバーされていますが、保険金の支払い条件や上限は保険会社によって異なります。保険金の支払い実績(2024年)では、FIP治療で平均30万円の保険金が支払われています(出典: 日本ペット保険協会)。
保険金が支払われる条件は以下の通りです。
- 保険契約時にFIPの症状がなかったこと
- 保険金請求時に診断書を提出すること
- 保険金の上限額内であること
注意点:保険金は「実費」ではなく「契約内容に基づく金額」が支払われます。また、保険金請求には時間がかかる場合があります。
Q2: ミロベマキンの治療…
A2: 多くの動物病院で、ミロベマキンの治療費の分割払いが可能です。分割回数は3回〜36回まで選択でき、金利は0%〜15%程度です。分割払いを利用する際は、事前に病院に確認しましょう。
分割払いのメリットとデメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 初期費用の負担が軽減される | 総支払額が増える場合がある |
| 治療を受けやすくなる | クレジットカードの審査が必要 |
| 支払い計画が立てやすい |
Q3: FIPの治療中に猫…
A3: FIPの治療中に猫が亡くなった場合でも、保険金が支払われる場合があります。保険金の支払い条件は保険会社によって異なりますが、以下の条件を満たすことが一般的です。
- FIPと診断されていること
- 治療費の請求が行われていること
- 保険金の上限額内であること
注意点:保険金の支払いには、死亡診断書や治療記録の提出が必要です。また、保険金の支払いまでには数週間〜数ヶ月かかる場合があります。
Q4: ミロベマキンの副作…
A4: ミロベマキンの副作用は、投与開始から2週間以内に発現することが多く、頻度は約30%〜50%です(出典: 厚生労働省, 2024)。主な副作用は以下の通りです。
- 食欲不振(20%〜30%)
- 嘔吐(10%〜20%)
- 下痢(5%〜10%)
- 元気消失(5%〜10%)
副作用の対処法:
- 食欲不振:好きな食べ物を与える、強制給餌
- 嘔吐:少量頻回の食事、制吐剤の投与
- 下痢:整腸剤の投与、食事療法
副作用が強い場合は、投与を中止することもあります。その際は、獣医師と相談の上で治療方針を決定します。
Q5: FIPの治療費は医…
A5: FIPの治療費は、医療費控除の対象になります。医療費控除は、1年間の医療費が10万円を超える場合に受けられます。控除額は以下の計算式で算出されます。
控除額 = (医療費 – 保険金等) × 所得税率 × 1.021
医療費控除の対象となる費用は以下の通りです。
- 診察費
- 検査費
- 薬剤費
- 入院費
- 通院費(交通費・駐車場代)
注意点:医療費控除を受けるためには、領収書や明細書を保管しておく必要があります。また、確定申告の際に「医療費控除の明細書」を提出します。
Q6: FIPの治療費はク…
A6: 多くの動物病院で、FIPの治療費をクレジットカードで支払うことができます。支払い方法は一括払い・分割払い・リボ払いなど、病院によって異なります。クレジットカード払いのメリットとデメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ポイントが貯まる | 手数料がかかる場合がある |
| 支払いが簡単 | 分割手数料がかかる場合がある |
| キャッシュレスで安心 |
注意点:クレジットカード払いが可能かどうかは、事前に病院に確認しましょう。また、分割払いを利用する際は、金利や手数料についても確認してください。
Q7: FIPの治療費は銀…
A7: 多くの動物病院で、治療費を銀行振込で支払うことができます。振込手数料は飼い主負担となる場合が多いので、注意が必要です。銀行振込のメリットとデメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 手数料が安い | 振込手続きが面倒 |
| 支払い履歴が残る | 振込に時間がかかる |
| 分割払いが可能 |
注意点:銀行振込が可能かどうかは、病院によって異なります。また、振込手数料や振込期限についても事前に確認しましょう。
まとめ:費用と向き合うための準備
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫にとって致死性の高い病気ですが、2025年現在、新薬「ミロベマキン」の登場により治癒の可能性が広がりました。その一方で、治療費は30万円〜50万円と高額であり、経済的負担は飼い主にとって大きな課題です。
この記事では、FIPの治療費の内訳、新薬と従来治療の費用比較、そして経済的負担を軽減する方法について詳しく解説しました。愛猫の命を守るためには、費用面で後悔しない選択をすることが大切です。以下に、治療費と向き合うための準備と心構えをまとめます。
治療費を抑えるための準備
- ペット保険に加入する
- FIPは多くのペット保険でカバーされている
- 保険金の支払い実績は平均30万円(出典: 日本ペット保険協会)
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ペット医療・動物病院情報を専門に調査・執筆するライター。
飼い主目線での実践的な情報提供を基本方針とし、動物病院の選び方・ペット保険の活用法・各種疾患の治療費目安など、ペットオーナーが必要とする情報を正確にまとめています。■ 専門分野:ペット保険・動物病院費用・犬猫の疾患・予防医療

