犬の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう:膝のお皿がずれてしまう状態)は、グレードによって手術費用が大きく変わる可能性があります。目安として、グレード1〜2の片脚手術で15万円前後、グレード3〜4や両脚同時の手術では30万円を超えるケースもあるという報告があります。こんにちは、ペット医療ライターの佐倉 ゆいです。大切な家族の健康に関わるお金の話だからこそ、突然の高額請求に戸惑ってしまいますよね。この記事では、グレード別の費用感と、もしもの時に備えるペット保険の選び方を一緒に整理していきます。
- グレード別にみる症状の違い
- 手術費用の目安をグレード別に
- 手術以外にかかる費用
- 保険選びで確認したい点
- 加入タイミングと注意点
- よくある質問
グレード別にみる症状の違い
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置からずれてしまう状態を指す言葉として、動物病院で広く使われている分類です。一般的にグレード1からグレード4までの4段階で評価され、数字が大きくなるほど脱臼の程度や日常生活への影響が大きくなる傾向があるという報告があります。トイプードルやチワワ、ポメラニアンといった小型犬でみられることが多いとされていますが、中型犬や大型犬でも起こり得るため、犬種だけで安心してよいわけではありません。
グレード1〜2の特徴
グレード1は、通常は膝のお皿が正しい位置にあり、手で押したときだけ一時的にずれる程度とされています。歩き方にほとんど変化が見られないことも多く、健康診断で偶然指摘されるケースも少なくありません。グレード2になると、遊んでいる最中にキャンと鳴いて片足を上げる、スキップのような歩き方をするといった様子が見られることがあります。この段階では、経過観察や体重管理、生活環境の見直しで対応する方針が選ばれることもあれば、進行を防ぐ目的で手術が検討されることもあります。
グレード3〜4の特徴
グレード3になると、お皿が自然に戻りにくくなり、常に軽度の脱臼状態が続くことがあるとされています。グレード4では、お皿が固定されたようにずれたままとなり、後ろ足を伸ばせない、O脚のような歩様になるといった変化が見られる場合があります。この段階まで進行すると、靭帯や骨格そのものに負担がかかり続けるため、手術による矯正が選択肢として検討されることが多いという報告があります。
手術費用の目安をグレード別に
手術費用は動物病院ごとに大きく異なり、地域や設備、麻酔方法によっても変動します。以下の表は、あくまで一般的な目安として整理したものであり、実際の費用は必ず受診先の動物病院に確認する必要があります。
| グレード | 主な状態 | 手術の検討度合い | 片脚手術費用の目安 |
|---|---|---|---|
| グレード1 | 時々ずれる程度 | 経過観察が中心 | ー(手術に至らないことも多い) |
| グレード2 | 時々脱臼し自然に戻る | 状態により検討 | 10万〜20万円程度 |
| グレード3 | 常時軽度に脱臼 | 手術が検討されやすい | 15万〜25万円程度 |
| グレード4 | 常に脱臼し固定的 | 手術が検討されやすい | 20万〜35万円程度 |
片脚と両脚での費用差
膝蓋骨脱臼は片脚だけでなく、両脚に同時に起こることも珍しくありません。両脚を同時に手術する場合、単純に2倍になるわけではなく、麻酔や入院管理を一度にまとめられる分、片脚ずつ2回手術するより総額は抑えられる傾向があるとされています。とはいえ、両脚同時の手術費用の目安は30万円台後半から40万円を超えることもあり、決して小さな金額ではありません。
病院の規模による違い
個人経営の動物病院と、二次診療施設や大学病院のような設備の整った施設では、費用の水準が異なることがあります。専門医が在籍する施設やCTなどの精密検査機器を備えた病院では、診断精度が高まる一方、検査費用が上乗せされることも考えられます。逆に、地域のかかりつけ医では費用を抑えられても、重度のケースでは専門施設への紹介が必要になる場合もあります。複数の病院で見積もりを比較してみる価値はあるでしょう。
手術以外にかかる費用
手術費用の見積もりだけを見て安心するのは早いかもしれません。実際には、手術前後にかかる周辺費用も無視できない金額になることがあります。
術前検査とリハビリ費用
手術前には、レントゲンや血液検査、麻酔リスクを確認するための検査が行われます。これらの費用は数千円から2万円程度が目安とされ、手術費用とは別に発生します。さらに術後は、筋力回復のためのリハビリテーションや定期的な経過観察の通院が必要になることがあり、数か月にわたって通院費が積み重なるケースもあります。
再脱臼・再手術のリスク
手術を受けても、成長期の子犬や重度のグレードだった場合、再び脱臼が起こる可能性があるという報告があります。再手術が必要になれば、当然ながら追加の費用負担が発生します。とくに骨の成長が終わっていない若い時期に手術を行う場合、成長に合わせて経過を慎重にみていく必要があるとされています。
保険選びで確認したい点
ここまでの費用感を踏まえると、ペット保険への加入を検討する飼い主も多いのではないでしょうか。ただし、保険商品は各社で補償内容が異なり、給付額や適用条件を断定的に語ることはできません。加入を検討する際は、必ず各社の公式サイトやパンフレット、約款(やっかん:契約内容を定めた文書)を確認してください(出典: 各社公式約款)。
補償割合と免責金額
ペット保険には、治療費の50%を補償するプランと70%を補償するプランなど、補償割合が異なる商品が複数存在します。アニコム損害保険やアイペット損害保険、楽天損保、au損保、ペット&ファミリー小額短期保険など、複数の会社がペット向けの保険商品を展開しています。それぞれ免責金額(自己負担が生じる下限額)の設定や、通院・入院・手術それぞれの補償上限が異なるため、膝蓋骨脱臼のような整形外科手術を想定する場合は、手術補償の上限額を必ず確認しておく必要があります。
待機期間と既往症の扱い
多くのペット保険には、契約直後の一定期間は補償の対象外となる待機期間が設けられています。また、加入前にすでに膝蓋骨脱臼の兆候が確認されていた場合、既往症や体質的な疾患として補償対象外になる可能性があるとされています。愛犬の状態によって扱いが変わるため、告知内容と補償範囲の関係については、加入前に保険会社へ直接問い合わせておくと安心につながります。
加入タイミングと注意点
膝蓋骨脱臼は小型犬で見られやすい傾向があるとされることから、保険加入のタイミングを迷う飼い主も少なくありません。
若齢期に検討したい理由
保険は、症状が出る前に加入しておくことで、既往症としての除外を避けられる可能性が高まるとされています。子犬を迎えた早い段階で複数の保険商品を比較検討しておくことは、将来の選択肢を広げることにつながるかもしれません。年齢が上がるほど加入条件が厳しくなる商品もあるため、迷っている時間そのものがコストになり得る点は意識しておきたいところです。
告知義務で気をつける点
保険加入時には、健康状態について正確に告知する義務があります。過去に足を痛がる様子があった、動物病院で膝の状態を指摘されたことがあるといった事実がある場合、それを正しく伝えないと、後になって保険金が支払われない事態につながる可能性があります。告知内容に不安がある場合は、加入前に動物病院で診察を受け、現在の状態を確認しておくことも一つの方法です。
よくある質問
Q1. 費用は必ず表の通りになる?
いいえ、表の金額はあくまで一般的な目安であり、動物病院や地域、麻酔方法によって費用は変わります。正確な金額は受診先での見積もりを確認してください。
Q2. グレード1でも手術は必要?
グレード1は経過観察となることが多いとされていますが、症状の進行度合いは個体差があります。定期的な診察で状態を確認していく方針が選ばれることもあります。
Q3. 保険は何歳までに入るべき?
年齢が上がるほど加入条件が厳しくなる保険会社もあるとされているため、症状が出る前、できるだけ若いうちに複数商品を比較しておくことが選択肢を広げる一助になるかもしれません。
Q4. 手術後に再発することはある?
再脱臼が起こる可能性があるという報告があります。とくに成長期の子犬では、骨格の成長に合わせて経過を確認していく必要があるとされています。
Q5. 補償割合はどこを見ればいい?
各社の公式サイトや約款に記載されている補償割合、免責金額、手術補償の上限額を確認し、整形外科手術の実費と照らし合わせて検討することが望まれます。
Q6. 両脚同時手術は保険で全額補償される?
補償割合や上限額は商品ごとに異なるため、全額補償と断定することはできません。加入している保険の約款で、手術1回あたりの上限額や年間支払い回数の条件を確認しておく必要があります。
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まとめ
犬の膝蓋骨脱臼は、グレードによって症状の重さや手術費用の目安が大きく異なる可能性があります。グレード1〜2では経過観察が選ばれることもあれば、グレード3〜4では手術が検討されやすく、費用も片脚で15万〜35万円程度、両脚同時ではさらに高額になることがあるとされています。手術費用だけでなく、術前検査やリハビリ、再手術の可能性まで含めて備えを考えておくと、いざという時の負担を軽くできるかもしれません。ペット保険を検討する際は、補償割合や免責金額、待機期間、既往症の扱いを各社の公式約款で確認し、愛犬の年齢や状態に合った商品を複数比較してみてください。焦って一社に決めるのではなく、動物病院での診察結果と保険会社への問い合わせを重ねながら、納得のいく選択を進めていけたらと思います。
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