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犬猫の血液検査の読み方|主要項目と数値の意味を獣医師が解説

犬猫 猫の病気

犬や猫の血液検査結果でまず確認したいのは、前回値からの変化量です。基準範囲の内か外かだけを見るより、同じ項目が前回からどちらへ動いたかを追うほうが、獣医師からの説明を理解する手がかりになります。結果表の項目は「肝臓関連」「腎臓関連」「血球関連」「その他の代謝関連」の4グループに分けて眺めると全体像をつかみやすく、基準値の設定は動物病院が使用する測定機器によって異なります。数値だけで自己判断せず、気になる点はその場で担当獣医師に質問してください。

犬や猫の血液検査結果を見るときは、まず「基準値の範囲内かどうか」よりも「前回の数値からどれだけ変化したか」を確認することが結果を読み解く手がかりになるという報告があります。こんにちは、動物医療ライターの佐倉ゆいです。検査結果表に並んだアルファベットと数字を前に、何を意味しているのか分からず不安になる飼い主さんは少なくありません。この記事では、健康診断や体調不良時に渡される血液検査結果の主要項目について、動物病院での説明を理解しやすくするための基礎知識を整理していきます。

血液検査でわかること

血液検査は大きく分けて「血球計算(CBC)」と「血液生化学検査」の2種類から構成されているという報告があります。血球計算は赤血球・白血球・血小板といった血液細胞の数や状態を調べるもので、貧血や炎症、感染症の兆候を確認する際の手がかりになるとされています。一方の血液生化学検査は、肝臓や腎臓、膵臓などの臓器から血液中に放出される酵素やタンパク質の量を測定するもので、内臓の働きの状態を推測する材料になるという報告があります。

ただし、血液検査の数値だけで特定の病気を確定することは基本的に難しく、レントゲンや超音波検査、尿検査などと組み合わせて総合的に判断されるケースが多いという説明を動物病院で受けることがあります。数値が基準範囲から外れていたとしても、それが直ちに病気を意味するわけではない場合もあるため、結果表を見て自己判断で結論を出すのではなく、担当獣医師の説明を聞きながら理解を深めていく姿勢が結果を正しく読むための出発点になります。

健康診断と体調不良時の違い

同じ血液検査でも、健康診断(ウェルネスチェック)として実施する場合と、嘔吐や食欲不振などの症状があって実施する場合とでは、確認される項目の重み付けが異なることがあります。健康診断では全身のスクリーニングとして幅広い項目をバランスよく確認する構成が多く、症状がある場合はその症状に関連が深い項目(消化器症状なら膵臓関連の項目など)を重点的に見ていく流れになるという説明を受けることが一般的です。

主要項目と数値の意味

結果表には多数の略語が並びますが、まず押さえておきたいのは「肝臓関連」「腎臓関連」「血球関連」「その他の代謝関連」という4つのグループに分けて見る視点です。項目ごとの意味を大まかにつかんでおくと、獣医師からの説明を理解しやすくなるという声があります。

項目(略称)何を見る指標か数値が高いときに考えられること数値が低いときに考えられること
ALT(GPT)肝細胞の状態を反映する酵素肝細胞の損傷・炎症など特段の意味を持たないことが多い
ALP胆道系や骨代謝に関わる酵素胆道系の異常、成長期の骨代謝、副腎の状態など特段の意味を持たないことが多い
BUN(尿素窒素)タンパク質代謝の老廃物、腎機能の指標の一つ腎機能低下、脱水、高タンパク食など肝機能低下、低タンパク食など
CRE(クレアチニン)筋肉代謝の老廃物、腎機能の指標腎機能低下の可能性筋肉量の少なさなど
WBC(白血球数)免疫細胞の総数感染症・炎症・ストレス反応など骨髄の機能低下、一部のウイルス感染など
RBC・HCT(赤血球数・ヘマトクリット値)酸素運搬能力に関わる血液細胞の状態脱水、多血症など貧血の可能性
PLT(血小板数)止血に関わる細胞の数炎症反応など出血傾向のリスクなど

この表の数値レンジそのものは検査機関や動物病院が使用する測定機器によって基準範囲の設定が異なるため、あえて具体的な数値の目安は記載していません。実際の検査結果表には施設ごとの基準値(リファレンスレンジ)が併記されているケースが多いので、自分の子の数値がその範囲内にあるかどうかをまず確認し、範囲外の場合は次回の再検査や追加検査の必要性について獣医師に相談する流れが一般的とされています。

肝臓・腎臓関連の項目

肝臓関連の項目としてはALT、AST、ALP、GGT、総ビリルビンなどが代表的です。これらは肝細胞そのものの損傷を示す酵素と、胆汁の流れの滞りを示す酵素におおまかに分けられるという説明がなされることがあります。腎臓関連ではBUNとクレアチニンに加え、近年はSDMAという項目を測定する動物病院も増えてきているとされ、腎機能の低下を従来よりも早期の段階で把握できる可能性があるという報告があります(SDMAについては測定を実施していない病院もあるため、気になる場合は事前に確認するとよいでしょう)。

血球関連の項目

血球計算の結果では、白血球の総数だけでなく、好中球やリンパ球といった内訳(白血球分画)も併せて確認されることが多いです。感染の種類や炎症の経過段階によって、どの種類の白血球が増減しているかに違いが見られる場合があるとされています。また赤血球関連では、RBC・HGB(ヘモグロビン)・HCTの3つを組み合わせて貧血の程度を推測することが一般的で、平均赤血球容積(MCV)などの指標から貧血の原因の見当をつけていくケースもあるという説明を受けることがあります。

血糖値・脂質・電解質の項目

血糖値(GLU)は食後や興奮状態でも変動しやすい項目とされ、単回の測定値だけで糖尿病を判断することは難しいとされています。継続的な高血糖が疑われる場合は、フルクトサミンという別の指標を併用して過去1〜2週間程度の血糖の傾向を確認する方法が用いられることもあります。コレステロールや中性脂肪といった脂質項目、ナトリウム・カリウム・クロールといった電解質項目も、それぞれ甲状腺や副腎、消化器の状態を推測する補助情報として活用されるという報告があります。

数値変化を追う視点

結果表を渡されたとき、多くの飼い主さんは基準値の上限・下限だけに注目しがちですが、実は「前回の数値からの変化幅」も同じくらい参考になる情報だとされています。たとえば基準範囲の中に収まっていても、半年前と比べてクレアチニンの数値がじわじわと上昇傾向にある場合、範囲内であっても経過観察の対象として意識される場合があるという説明を受けることがあります。逆に一度だけ基準値をわずかに超えていても、ストレスや採血のタイミングなど一時的な要因が影響している可能性も否定できないため、再検査で数値が戻るかどうかを確認する流れになることも珍しくありません。

年齢・犬種猫種による違い

基準値は多くの場合、成犬・成猫を前提に設定されているため、成長期の子犬・子猫やシニア期の個体では、健康な状態でも基準範囲からやや外れた数値が出ることがあるとされています。たとえば成長期はALPが高めに出やすい傾向があるという報告があり、これは骨の成長に伴う代謝の活発化が関係している可能性があるとされています。また犬種によっては、健康な状態でも特定の項目が一般的な基準値より高め・低めに出る系統があることも知られており、かかりつけの獣医師がその子の「平常時のベースライン」を把握しておくことが結果の解釈に役立つという考え方があります。

検査前の条件が数値に与える影響

血液検査の数値は、採血前の食事や運動、興奮状態によっても変動する場合があります。多くの動物病院では、正確な数値を得るために採血前の絶食時間(目安として8〜12時間程度とされることが多いですが、病院の指示に従うことが前提です)を指示することがあります。指示を守れなかった場合や、移動中に強いストレスがかかった場合は、その旨を受付や獣医師に伝えておくと、数値の解釈に反映してもらえる可能性があります。

検査を受けるタイミング

血液検査を受けるタイミングは、症状がある場合とない場合とで考え方が分かれます。症状がある場合は、その症状が現れた時点で受診し検査を行う流れが一般的です。症状がない場合の定期検査については、年齢によって推奨される頻度に幅があり、若齢期は年1回程度、シニア期(犬種・猫種にもよりますが目安として7歳前後以降とされることが多い年代)に入ると半年に1回程度の頻度を提案する動物病院もあるという報告があります。ただし持病の有無や個体差によって適切な頻度は変わるため、具体的な間隔についてはかかりつけの獣医師に相談することが推奨されます。

ライフステージ目安となる検査頻度主な目的
子犬・子猫期ワクチン接種時などの機会に応じて先天的な異常の有無の確認など
成犬・成猫期年1回程度健康状態のベースライン把握
シニア期半年に1回程度加齢に伴う内臓機能変化の早期把握

結果表と付き合うコツ

検査結果は一度きりのものとして受け取るのではなく、時系列でまとめておくと、次回以降の変化を追いやすくなります。多くの動物病院では検査結果をアプリや紙の記録として渡してくれるため、ファイルやフォルダにまとめて保管しておく飼い主さんも多いようです。数値だけを見て一喜一憂するのではなく、「前回と比べてどう変わったか」「症状の有無と数値の変化が一致しているか」という2つの視点を持っておくと、獣医師との対話がスムーズになりやすいという声もあります。

また、動物病院によって使用する検査機器やキットが異なるため、基準値の設定にも差があります。ある病院で「やや高め」とされた数値が、別の病院の基準では範囲内に収まることもあり得るため、転院した際や複数の病院で検査を受けた際は、単純に数値だけを比較せず、それぞれの病院の基準範囲と併せて確認する視点を持っておくとよいでしょう。分からない略語や数値があれば、その場で遠慮なく質問してみることが、結果を正しく理解する近道になります。

保険加入時に検査結果が関わる場面

ペット保険への加入や更新の際、告知事項として過去の検査結果や既往症について申告を求められる場合があります。血液検査で経過観察となった項目がある場合、それが告知義務の対象になるかどうかは保険会社や商品によって取り扱いが異なる可能性があるため、契約前に各社の公式約款や告知書の記載内容を確認しておくことが望ましいとされています。保険料や補償範囲は年齢・プラン・加入時の健康状態によって大きく異なるため、この記事内の説明はあくまで一般的な仕組みの紹介にとどまり、具体的な条件については各保険会社の公式資料を参照する必要があります。

よくある質問

Q1. 数値が基準値を少し超えただけでも心配ですか

基準範囲からのわずかな逸脱だけで病気が確定するわけではないという報告があります。採血時の緊張や食事のタイミングなど一時的な要因が影響している場合もあるため、再検査で数値が戻るかどうかを含めて獣医師に相談する流れが一般的です。

Q2. 血液検査だけで病気は分かりますか

血液検査単独で特定の病気を確定することは難しい場合が多く、レントゲンや超音波、尿検査などと組み合わせて総合的に判断されるケースが一般的とされています。

Q3. 空腹時でないと検査は受けられませんか

項目によっては食後の状態が数値に影響する場合があるため、絶食を指示されることがあります。指示された時間を守れなかった場合は、その旨を事前に病院へ伝えておくと数値の解釈に配慮してもらえる可能性があります。

Q4. 若い健康な子でも血液検査は必要ですか

症状がない時期の数値を「平常時のベースライン」として記録しておくことは、将来の変化を比較する際の参考材料になるという考え方があります。若齢期から定期的に記録を残しておくと、シニア期に入ってからの変化に気づきやすくなる可能性があります。

Q5. 動物病院によって数値の見方は違いますか

使用する検査機器や測定方法によって基準値の設定に差があるため、同じ数値でも病院によって評価が異なる場合があります。転院時や他院でのセカンドオピニオンを希望する際は、過去の検査結果表と使用機器の情報を持参すると比較がしやすくなります。

Q6. 検査結果に納得できない場合はどうすればよいですか

説明を聞いても疑問が残る場合、他の動物病院でのセカンドオピニオンを検討する選択肢もあります。その際は過去の検査結果表のコピーを持参すると、経過を踏まえた説明を受けやすくなるという声があります。

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まとめ

犬猫の血液検査結果は、基準範囲内かどうかだけでなく、前回からの変化幅や年齢・犬種猫種による傾向、検査前の条件など複数の視点を組み合わせて読み解いていく必要があります。肝臓関連・腎臓関連・血球関連といったグループごとに大まかな役割を把握しておくと、獣医師からの説明を理解する土台になります。数値の解釈は検査機関ごとの基準値設定によっても左右されるため、結果表を受け取ったら疑問点をその場で質問し、時系列で記録を残しておく習慣が、愛犬・愛猫の体調変化に気づく手がかりになる可能性があります。ペット保険の告知に関わる場面では、各社の公式約款を確認しながら、正確な情報をもとに手続きを進めることが望ましいでしょう。

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本記事はうちの子動物病院ガイド編集部が農林水産省・環境省・獣医師会の一次情報をもとに作成しています。ペットの健康状態に関する最終判断は獣医師にご相談ください。情報の正確性には万全を期していますが、最新情報は各公式サイトをご確認ください。 編集ポリシーはこちら
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