犬の黄疸とは?基礎知識から原因、症状まで徹底解説
こんにちは、ペット・動物医療ライターの佐倉ゆいです。愛犬の白目や歯茎が黄色くなっていないか、不安を感じてこの記事をご覧になっているのではないでしょうか?
犬の黄疸は、肝臓病・溶血性貧血・胆管疾患など、命に関わる深刻な疾患のサインである可能性があります。黄疸の症状に気づいたら、速やかに動物病院を受診することが何よりも大切です。
本記事では、犬の黄疸の原因や症状、緊急度、治療費の目安について、具体例を交えながら詳しく解説します。愛犬の健康管理にお役立てください。
犬の黄疸とは?基礎知識を押さえておこう
黄疸とは、血液中のビリルビン(胆汁色素)が過剰に蓄積されることで、皮膚・白目・歯茎などが黄色く変色する状態を指します。黄疸自体は疾患ではなく、何らかの基礎疾患のサインである場合が多いです。
ビリルビンは、赤血球が破壊される際に生成される老廃物です。通常、肝臓で代謝されて胆汁として排出されますが、肝機能の低下や胆汁の流れの阻害などにより、血液中に蓄積されることで黄疸が発症します。
犬の黄疸の主な原因とは?考えられる疾患を徹底解説
犬の黄疸は、主に以下のような疾患が原因で発症する場合があります。それぞれの疾患について、具体例を交えて詳しく解説します。
1. 肝臓疾患
- 肝炎:肝臓の炎症により機能が低下し、ビリルビンの代謝が滞ります。例えば、犬の慢性肝炎の場合、初期症状として食欲不振や元気消失が見られ、進行すると黄疸が現れます。
- 肝硬変:長期間の肝炎や中毒により、肝臓が線維化して硬くなり、機能が著しく低下します。治療が遅れると命に関わることもあります。
- 肝腫瘍:肝臓に腫瘍ができると、正常な肝細胞が圧迫され、機能が低下します。例えば、肝細胞癌の場合、黄疸の他に腹部膨満感や体重減少が見られます。
- 肝リピドーシス(脂肪肝):過度の肥満や栄養不良により、肝臓に脂肪が蓄積され、機能が低下します。ダックスフンドやミニチュアシュナウザーなどの小型犬に多く見られます。
2. 溶血性貧血
溶血性貧血とは、赤血球が異常に破壊される疾患です。以下のような原因が考えられます。
- 免疫介在性溶血性貧血(IMHA):免疫システムが自分の赤血球を攻撃して破壊します。例えば、コッカースパニエルやプードルなどの犬種に多く見られます。
- 中毒:タマネギやニンニク、薬剤などが赤血球を破壊します。例えば、タマネギ中毒の場合、嘔吐や下痢、黄疸が見られます。
- 感染症:レプトスピラ症やバベシア症などの感染症により、赤血球が破壊されます。
3. 胆管疾患
胆管疾患は、胆汁の流れを阻害し、ビリルビンが血液中に蓄積される原因となります。
- 胆管閉塞:胆管に結石や腫瘍ができ、胆汁の流れが阻害されます。例えば、胆石症の場合、激しい腹痛や嘔吐が見られます。
- 胆嚢炎:胆嚢の炎症により、胆汁の流れが悪くなります。例えば、慢性胆嚢炎の場合、食欲不振や体重減少が見られます。
- 胆石症:胆管に結石ができ、胆汁の流れが阻害されます。特にミニチュアダックスフンドやシーズーなどの犬種に多く見られます。
4. その他の原因
- 膵炎(重症):膵臓の炎症が胆管を圧迫し、胆汁の流れを阻害します。例えば、急性膵炎の場合、激しい腹痛や嘔吐が見られます。
- 感染症:レプトスピラ症や犬糸状虫症(フィラリア症)などの感染症により、肝機能が低下します。
- 薬剤性:特定の薬剤(例:抗生物質、抗けいれん薬)が肝機能に悪影響を与える場合があります。
- 先天性疾患:肝臓や胆管の構造的な異常(例:門脈体循環シャント)により、ビリルビンの代謝が滞ります。
犬の黄疸の主な症状と見分け方
黄疸の症状は、皮膚や粘膜の黄色化だけでなく、他の兆候も現れる場合があります。日頃から愛犬の体調変化に注意を払い、以下の症状に気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。
目で見てわかる黄疸のサイン
- 白目(強膜)の黄色化:最もわかりやすい黄疸のサインです。健康な犬の白目は白色ですが、黄疸が進行すると黄色やオレンジ色に変色します。
- 歯茎・口腔粘膜の黄色化:歯茎の色がピンクから黄色や茶色に変わる場合があります。特に歯茎の裏側や舌の裏側を確認するとわかりやすいです。
- 皮膚の黄色化:耳の内側やお腹、脇の下など、皮膚の薄い部分が黄色く見える場合があります。
- 尿の色の変化:通常の尿は淡黄色ですが、黄疸が進行すると濃い黄色や茶色、場合によっては赤みを帯びた色になることがあります。
その他の関連症状
黄疸に伴い、以下のような症状が見られる場合もあります。
- 食欲不振:肝臓疾患や胆管疾患では、食欲が低下することが多いです。
- 嘔吐・下痢:消化器系の疾患が原因で、嘔吐や下痢が続く場合があります。
- 元気消失・無気力:全身の倦怠感や活動性の低下が見られることがあります。
- 腹部の膨満感:肝臓や胆嚢の腫大により、お腹が膨らんで見える場合があります。
- 発熱:感染症や炎症が原因で、発熱が見られることがあります。
黄疸の緊急度と受診のタイミング
黄疸は、基礎疾患の重症度によって緊急度が大きく異なります。以下のような症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診することをおすすめします。
【緊急度が高い症状】
- 意識障害やけいれん:肝性脳症(肝臓の機能不全により脳に有害物質が蓄積される状態)が疑われる場合です。例えば、進行した肝硬変の場合、意識障害やけいれんが見られます。
- 激しい嘔吐や下痢:脱水症状を引き起こす可能性があります。例えば、急性膵炎の場合、激しい嘔吐や下痢が見られ、直ちに治療が必要です。
- 腹部の激しい痛み:胆嚢破裂や膵炎など、重篤な疾患が疑われる場合です。
- 尿が出ない・極端に少ない:腎機能の低下や尿路閉塞が疑われます。
- 出血傾向:皮下出血や鼻血、血便などが見られる場合は、血液凝固異常が疑われます。
【早めの受診が推奨される症状】
- 白目や歯茎の黄色化:黄疸の初期症状として現れることが多いです。
- 食欲不振や元気消失:持続する場合は、基礎疾患の進行が疑われます。
- 尿の色が濃い黄色や茶色:脱水や肝機能の低下が疑われます。
- 皮膚のかゆみや発疹:アレルギーや感染症が原因で黄疸が引き起こされる場合があります。
黄疸の症状に気づいたら、躊躇せずに動物病院を受診しましょう。早期発見・早期治療が、愛犬の予後を大きく左右します。
動物病院での黄疸の検査と診断
動物病院では、黄疸の原因を特定するために、以下のような検査が行われる場合があります。検査内容や費用は、病院や症状の重症度によって異なります。
主な検査内容
血液検査
- 血液生化学検査:肝酵素(ALT、ALP、AST、GGT)や総ビリルビン、アルブミン、グロブリンなどを測定します。肝機能や胆管の状態を評価します。例えば、ALTが高値の場合、肝細胞の障害が疑われます。
- 血液学的検査:赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットなどを測定し、貧血の有無や溶血の程度を確認します。
- 凝固検査:出血傾向がないかを確認します。
画像検査
- 腹部超音波検査:肝臓、胆嚢、胆管、膵臓などの形態や大きさを確認します。胆石や腫瘍、炎症の有無を評価します。例えば、胆嚢炎の場合、胆嚢の壁肥厚が見られます。
- X線検査(腹部):腫瘍や異物、腹水の有無を確認します。
- CT検査:より詳細な画像を得るために、CT検査が行われる場合があります。
その他の検査
- 尿検査:尿中のビリルビンやウロビリノーゲンを測定し、肝機能や胆管の状態を評価します。
- 便検査:寄生虫や感染症の有無を確認します。
- 肝生検:肝臓の組織を採取し、顕微鏡で詳しく検査します。
- 血液培養:感染症が疑われる場合に行われます。
検査にかかる費用の目安
黄疸の検査にかかる費用は、病院や検査内容によって大きく異なります。以下は、一般的な費用の目安です。
| 検査内容 | 費用の目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 血液検査(血液生化学検査・血液学的検査) | 10,000円〜30,000円 | 基本的な検査で、黄疸の原因を特定するために行われます。 |
| 腹部超音波検査 | 8,000円〜20,000円 | 肝臓や胆嚢、胆管の状態を詳しく確認します。 |
| X線検査(腹部) | 5,000円〜15,000円 | 腫瘍や異物、腹水の有無を確認します。 |
| 尿検査 | 3,000円〜8,000円 | 肝機能や脱水の程度を評価します。 |
| 便検査 | 2,000円〜6,000円 | 寄生虫や感染症の有無を確認します。 |
| 肝生検 | 30,000円〜80,000円 | より詳細な診断が必要な場合に行われます。 |
※上記の費用はあくまでも目安です。病院や地域、検査内容によって異なりますので、事前に確認しましょう。
黄疸の治療法と費用の目安
黄疸の治療法は、原因疾患によって大きく異なります。以下に、主な治療法と費用の目安を紹介します。
原因別の治療法
1. 肝臓疾患の場合
- 食事療法:低タンパク・高品質タンパクの食事に変更します。例えば、肝リピドーシスの場合、高品質の低脂肪食が推奨されます。
- 薬物療法:肝保護剤(例:ウルソデオキシコール酸)、抗酸化剤(例:S-アデノシルメチオニン)、抗生物質などが使用されます。
- 点滴療法:脱水や栄養不良の改善のために、点滴が行われます。
- 外科手術:腫瘍や胆管閉塞の場合、手術が必要となることがあります。例えば、肝腫瘍の場合、腫瘍の切除が行われます。
費用の目安:50,000円〜300,000円(検査費用を含む)
2. 溶血性貧血の場合
- 免疫抑制療法:免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の場合、免疫抑制剤(例:プレドニゾロン)が使用されます。
- 輸血療法:重度の貧血の場合、輸血が行われます。例えば、ヘマトクリットが15%以下の場合、輸血が必要となることがあります。
- 感染症の治療:感染症が原因の場合、抗生物質や抗寄生虫薬が使用されます。
費用の目安:30,000円〜200,000円(検査費用・輸血費用を含む)
3. 胆管疾患の場合
- 食事療法:低脂肪食に変更します。例えば、胆石症の場合、低脂肪食が推奨されます。
- 薬物療法:胆汁排泄促進剤(例:ウルソデオキシコール酸)、抗生物質などが使用されます。
- 外科手術:胆管閉塞や胆嚢破裂の場合、手術が必要となることがあります。例えば、胆嚢摘出術の費用は、100,000円〜300,000円程度です。
費用の目安:50,000円〜400,000円(検査費用・手術費用を含む)
4. 膵炎の場合
- 食事療法:低脂肪・易消化食に変更します。例えば、急性膵炎の場合、絶食後に低脂肪食が徐々に与えられます。
- 薬物療法:鎮痛剤、制吐剤、抗生物質などが使用されます。
- 点滴療法:脱水や栄養不良の改善のために、点滴が行われます。
費用の目安:30,000円〜200,000円(検査費用・入院費用を含む)
犬の黄疸を予防するためにできること
黄疸は、基礎疾患のサインであることが多いため、日頃から愛犬の健康管理に気を配ることが大切です。以下のポイントを参考に、黄疸の予防に努めましょう。
- 定期的な健康診断:年に1〜2回、動物病院で健康診断を受けましょう。血液検査や画像検査により、早期に疾患を発見することができます。
- バランスの良い食事:高品質のフードを与え、肥満を予防しましょう。例えば、小型犬の場合、1日の給餌量を守り、おやつの与えすぎに注意しましょう。
- 適度な運動:散歩や遊びを通じて、適度な運動を心がけましょう。肥満は、肝臓疾患や糖
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本記事はRoute Bloom編集部が厚生労働省・農林水産省・各学会の一次情報をもとに作成しています。 ペットの医療に関する最終判断は獣医師にご相談ください。 情報の正確性には万全を期していますが、最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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