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- 胃捻転は「胃が膨らんでねじれる」命に関わる緊急事態
- 発症から6時間以内の処置が生存率を分けるといわれています
- 「吐こうとするのに出ない」のは危険なサインです
- 大型犬や深胸のワンちゃんは特にリスクが高い傾向にあります
- 治療費は20万円〜40万円ほどかかるケースが一般的です
大切な家族であるワンちゃんが、突然ぐったりしてしまったり、お腹がパンパンに膨らんでいたり…。そんなとき、飼い主さんはパニックになってしまいますよね。何が起きているのかわからず、不安でたまらなくなるお気持ち、本当によくわかります。
特に「胃捻転(いねんてん)」という病気は、時間との戦いになる疾患です。でも、正しい知識を持って、早めに異変に気づくことができれば、救える命があります。今回は、愛するうちの子の命を守るために知っておいてほしい症状や、受診の判断基準、気になる費用について、やさしく丁寧にお話ししますね。
胃捻転ってどんな病気?
胃捻転は、正式には「胃拡張・胃捻転症候群(GDV)」と呼ばれています。簡単に言うと、胃の中でガスや液体がたまっていたところに、胃そのものがぐるりとねじれてしまう状態のことです。人間でいうところの「腸閉塞」に近いイメージですが、胃という大きな臓器がねじれるため、影響がより劇的で深刻になります。
この病気は大きく分けて、2つのステップで進行します。まずは「胃拡張」という状態で、胃の中にガスがたまったり、食べ物が大量に入ったりして、胃が風船のようにパンパンに膨らみます。その後、その膨らんだ状態で胃が回転し、「胃捻転」へと移行します。ねじれてしまうと、胃に血液を送る血管が圧迫され、血流がストップしてしまいます。
血が通らなくなった胃の壁は、次第に壊死(組織が死んでしまうこと)し、そこから毒素が漏れ出して全身に回ります。すると、血圧が急激に下がってショック状態に陥り、心臓や他の臓器にも大きな負担がかかってしまいます。発症から数時間で命に関わるため、一刻も早い対応が必要な、とても恐ろしい病気といわれています。
「うちの子は元気だから大丈夫」と思いたいところですが、この病気は予兆なく突然やってきます。特に、胸が深く、お腹のスペースに余裕がある体型のワンちゃんは、胃が動きやすいためリスクが高いとされています。大切な家族のサインを見逃さないために、まずはどのような子がなりやすいのか、一緒に確認していきましょうね。
リスクが高い犬種と特徴
胃捻転はどの犬種でも起こる可能性がありますが、特にリスクが高いとされるのは「大型犬」や「深胸(しんきょう)」と呼ばれる、胸の深さがある犬種です。胃が固定されにくく、空間があるため、ねじれが発生しやすい構造になっているためといわれています。
特に注意してほしい代表的な犬種を挙げますね。
- グレート・デーン
- ジャーマン・シェパード
- ラブラドール・レトリーバー
- ゴールデン・レトリーバー
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- ドーベルマン
- セント・バーナード
これらの犬種を飼っている方は、特に日頃からの観察を心がけてくださいね。また、年齢とともにリスクが上がるとされており、特に6歳以上のシニア期に入った大型犬の方は、より注意が必要です。とはいえ、中型犬や小型犬であっても発症する例は報告されています。体重や種類に関わらず、急な体調変化には敏感に反応してあげてください。
また、体格だけでなく、食事の仕方も関係しているといわれています。一度に大量の食事をガツガツ食べる子や、食後に激しく運動する子は、胃の中でガスが発生しやすく、ねじれを誘発しやすいと考えられています。愛犬の食事習慣を見直すだけでも、リスクを減らすきっかけになりますよ。
見逃せない!危険なサイン
胃捻転は「時間との勝負」です。もたもたしている間に状態が悪化してしまうため、以下のチェックリストに当てはまる症状がないか、今一度確認してみてください。
- □ お腹が急激に膨らんでいる(触ると太鼓のようにポンポンと音がする)
- □ 吐こうとする仕草があるが、何も出てこない(空嘔吐)
- □ 大量のよだれを垂らし、そわそわして落ち着きがない
- □ 急に元気がなくなり、伏せたまま立てない
- □ 歯茎や口の中の粘膜が白っぽくなっている(血流が悪いサインです)
- □ 呼吸が速く、浅くなっている
特に「吐こうとしているのに何も出ない」という行動は、胃捻転の典型的なサインの一つです。飼い主さんは「胃腸炎かな?」と思って様子を見てしまいがちですが、胃捻転の場合は1分1秒を争います。もしこれらの症状が重なっている場合は、迷わずすぐに動物病院へ連絡してください。
また、お腹がパンパンに張っているとき、お腹を軽く叩くと「ポコポコ」という空洞のような音がすることがあります。これは胃の中に大量のガスがたまっている証拠です。このようなサインが出たときは、もはや「様子を見る」段階ではありません。深夜や早朝であっても、救急対応が可能な病院へ急いでくださいね。
受診の判断基準と対応
「病院へ行くべきか、少し様子を見ていいのか」の判断に迷うこともあると思います。胃捻転が疑われる場合の判断基準をまとめました。迷ったら「早めに行く」ことが正解ですよ。
| 症状の状態 | 判断基準 | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 食欲がない、少し元気がない | 様子を見てOK(ただし1日以内に受診) | 食事量を調整し、安静にして様子を見る |
| 何度も吐こうとするが何も出ない | 【危険】すぐ病院へ | すぐに救急病院へ連絡し、最短で受診 |
| お腹がパンパンに膨らんでいる | 【極めて危険】今すぐ病院へ | 迷わず救急車(または自家用車)で搬送 |
| ぐったりして意識が朦朧としている | 【超緊急】今すぐ病院へ | 電話で状況を伝え、直ちに搬送 |
もしかして、と不安になったときは、迷わず獣医師に相談してください。結果的に「ただの胃腸炎でした」となる方が、後悔することよりもずっと安心ですよね。特に大型犬を飼っている方は、かかりつけの病院だけでなく、夜間に対応してくれる救急病院の場所と電話番号をメモして、冷蔵庫や壁に貼っておくことをおすすめします。
搬送時は、できるだけワンちゃんの体を安定させ、ストレスを与えないようにしてあげてください。無理に水を飲ませたり、何かを食べさせたりすることは、かえって症状を悪化させる可能性があるため、絶対に避けてくださいね。
治療の流れと費用の目安
病院に到着すると、まずは命を救うための応急処置から始まります。胃捻転の治療は非常に緊迫した流れになりますが、獣医師は全力でうちの子を救おうとしてくれます。一般的な治療ステップは以下の通りです。
- ショック治療(全身状態の安定)
点滴による大量の輸液を行い、低下した血圧を上げ、ショック状態から脱出させます。 - 胃のガス抜き(減圧処置)
口からチューブを通したり、お腹から針を刺したりして、胃の中のガスや液体を抜きます。これで胃の圧力を下げ、心臓への負担を軽減します。 - 緊急外科手術(ねじれの解消)
全身麻酔をかけ、お腹を開いてねじれた胃を元の位置に戻します。もし胃壁が壊死(黒ずんで死んでいる)している場合は、その部分を切除します。 - 胃固定術(再発防止)
胃を腹壁に縫い付けて固定することで、将来的に再びねじれるのを防ぐ処置を同時に行います。 - 術後管理(集中ケア)
手術後も不整脈などの合併症が起きやすいため、数日間は入院して厳重に管理します。
気になる費用についてですが、胃捻転は手術と入院が必要なため、高額になる傾向があります。以下は一般的な目安です(※病院や体重によって大きく変動します)。
- 初診・緊急処置費用:5,000円〜15,000円程度
- 輸液・ショック治療:10,000円〜30,000円程度
- 緊急外科手術(胃固定術含む):150,000円〜300,000円程度
- 術後入院管理(3〜5日):30,000円〜80,000円程度
- 合計目安:200,000円〜400,000円程度
重症度によっては、さらに高度な治療が必要になり、費用が跳ね上がることもあります。突然の出費は不安になりますよね。だからこそ、大型犬を飼っている方は、万が一に備えてペット保険への加入を検討しておくのが賢明です。
ペット保険の活用ポイント
胃捻転のような緊急手術になると、数十万円という金額に驚かれる方が多いです。そんなとき、ペット保険があれば精神的にも経済的にも大きな支えになりますよ。
胃捻転の治療において、保険がどう役立つのかポイントをまとめました。
- 手術費の補償:手術費用は高額ですが、多くの保険で50%〜70%ほど補償されます。実質的な負担額を10万円〜20万円程度まで抑えられる可能性があります。
- 入院費のカバー:術後の集中管理による入院費も補償対象になるため、日数の長い入院でも安心です。
- 検査費の補償:レントゲンや血液検査などの事前検査費用もカバーされるため、迷わず検査を受けさせることができます。
保険を選ぶ際は、「手術・入院の補償限度額」が十分かを確認してください。1回の治療で上限が決まっているプランだと、胃捻転のような大手術では足りない場合があります。また、加入後すぐに補償が始まるのか、待機期間があるのかもチェックポイントです。
「まだ若いから大丈夫」と思わず、健康なうちに加入しておくことが大切です。病気になってからでは加入できないケースが多いため、大切な家族の安心チケットとして準備しておいてくださいね。
日常でできる予防策
胃捻転を100%防ぐことは難しいといわれていますが、日々のちょっとした工夫でリスクを下げることができます。今日からできるケアを習慣にしましょう。
- □ 食事を回数に分けて与える
1日1〜2回の大量給餌ではなく、3〜4回に分けて少量ずつ与えることで、胃への負担を減らしましょう。 - □ 食後の激しい運動を控える
食後1〜2時間は、激しい走り回ったりジャンプしたりすることを避け、ゆっくり休ませてあげてください。 - □ ゆっくり食べる工夫をする
早食い防止用の食器(フードが取り出しにくい形状のもの)を使い、空気を飲み込む量を減らしましょう。 - □ 体重管理を徹底する
肥満は様々な病気のリスクになります。適切な体重を維持し、心臓や内臓への負担を減らしましょう。
特に「食後の散歩」は注意が必要です。お腹がいっぱいの状態で激しく動くと、胃が揺さぶられてねじれやすくなるといわれています。お散歩は食前か、食後十分な時間が経ってからにするのが正解ですよ。
また、日頃から「うちの子の通常の状態」を把握しておくことも大切です。呼吸の速さや、お腹の張り具合、歩き方など、いつもの様子をよく見ておけば、わずかな「違和感」に気づけるようになります。その小さな気づきが、愛犬の命を救うことにつながります。
よくある質問(FAQ)
Q1:胃捻転の初期症状で、一番見極めにくいものは何ですか?
A:一番難しいのは「ただの不機嫌や食欲不振」に見える段階です。最初は単に「なんとなく元気がないな」と感じるだけの場合があります。しかし、その後急激に「吐こうとするが何も出ない」という動作に変わったら、それは緊急事態のサインです。迷ったら早めの受診をおすすめします。
Q2:小型犬でも胃捻転になることはありますか?
A:はい、可能性はあります。大型犬に比べれば頻度は低いですが、小型犬でも胃がねじれることはあります。ただし、小型犬の場合は「胃捻転」よりも「胃拡張」や他の消化管疾患であるケースが多いといわれています。 regardless of size, 急な腹部膨満がある場合は至急受診してください。
Q3:手術をすれば、もう二度と再発しませんか?
A:手術時に「胃固定術(胃を腹壁に縫い付ける処置)」を行えば、再発のリスクは大幅に低下するといわれています。ただし、完全にゼロになるとは言い切れないため、術後も日頃の食事管理や食後の安静を心がけることが大切です。
Q4:食事制限以外に、サプリメントなどで予防できる方法はありますか?
A:胃捻転を直接的に予防するサプリメントは今のところ知られていません。それよりも、食事の回数を分ける、早食いを防ぐといった「物理的な習慣」を変えることが最も効果的といわれています。
Q5:もし夜間に症状が出た場合、どうすればいいですか?
A:すぐに「夜間救急動物病院」へ電話してください。その際、「胃捻転が疑われる」「お腹が膨らんでいる」「吐こうとしているが出ない」とはっきり伝えてください。病院側も緊急性を理解し、受け入れ準備を整えてくれます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が心配な場合は必ず獣医師へご相談ください。
愛するワンちゃんとの時間は、かけがえのない宝物ですよね。胃捻転という恐ろしい病気ですが、飼い主さんが正しく知って、早めに対応すれば、きっと乗り越えられるはずです。不安なときは一人で悩まず、信頼できる先生に相談してくださいね。大切な家族の笑顔を、一緒に守っていきましょう。
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本記事はRoute Bloom編集部が農林水産省・環境省・獣医師会の一次情報をもとに作成しています。ペットの健康状態に関する最終判断は獣医師にご相談ください。情報の正確性には万全を期していますが、最新情報は各公式サイトをご確認ください。 編集ポリシーはこちら
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